崩壊監視REPORT / 二本のハシゴ+橋 / ISSUE 2026.08.08 / v7.1
2026.08.07 CLOSE
AIの外側では、株価と信用の崩れが進んだ。
金融システム全体への伝播は、まだ確認されていない。
AI側・橋・金融側の3層で、いま何段目かを毎週同じ規則で測る。
対象週 2026.08.03−08.07 / 株式8月7日終値・金利と信用8月6日・日本国債8月6日
CURRENT POSITION ─ 現在地
AI側=A-L1が進行、A-L3・A-L4に初期兆候。橋=未点灯(1/5系統を計測開始)。金融側=B-L1〜B-L4すべて未発火。
やさしく言えば ── AIの周りでは崩れが進んでいますが、まだ金融危機には渡っていません。
今週から、渡ったかどうかを測る道具が1つ動き出しました。
IN ONE PARAGRAPH ─ 要はこういうことです
AIそのものは成功します。
しかし、AIに投資した人が儲かるとは限りません。
この1年、AIと名のつく企業にお金が集まりすぎました。それが6月下旬に折れ、外側が半分になりました。
折れたのはメモリー・ハードディスク・借金してAI設備を建てた会社です。中枢の演算4社は、ほとんど傷んでいません。
金融側は、まだ何も起きていません。
PART 1
登場人物
誰が何をしている会社なのか。ここだけ読めば、あとは読めます。
CAST ─ 登場人物(毎週変わりません)
まず、誰が何をしている会社なのか
この先に会社名がたくさん出てきます。最初にこの2枚だけ見ておけば、あとは読めます。
よく聞くAIは、どの会社のものか
| AIの名前 | 持っている会社 | 株は買えるか | ひとこと |
| ChatGPT | OpenAI(米) | 買えない | 非上場。マイクロソフトが27%を保有 |
| Claude | Anthropic(米) | 買えない | 非上場。アマゾン・グーグル・マイクロソフト・NVIDIA・AMDが出資 |
| Gemini | グーグル(アルファベット) | 買える | 自社で開発。検索・広告の会社 |
| Copilot | マイクロソフト | 買える | 中身はOpenAIの技術を使う |
| Llama | メタ(旧フェイスブック) | 買える | 自社で開発。無料公開型 |
| Grok | xAI(イーロン・マスク) | 買えない | 非上場 |
「二本のハシゴ」とは何か
崩壊は一度に起きません。段を踏みます。だから「いま何段目か」を毎週同じ物差しで測ります。
PART 2
いま何が起きているか
株価・本業・投資。今週の数字はすべてこの部にあります。
FIG.1 ─ カテゴリー別の推移
1年前を100として、どこまで上がり、どこまで落ちたか
分類は企業名ではなく経済的な役割で固定します。ウエスタンデジタルは2025年2月にフラッシュメモリ事業をサンディスクへ分離したため、今版からメモリー(半導体)とハードディスク(円盤)を分けました。
1年前(2025年8月7日)=100
メモリー(半導体)ハードディスク(円盤)借金組演算(設計・製造)ハイパースケーラーS&P500
拡大版(縦軸400まで)
メモリー(半導体)ハードディスク(円盤)借金組演算(設計・製造)ハイパースケーラーS&P500
見落として
いたこと
ハイパースケーラー3社(マイクロソフト・アルファベット・メタ)は、1年前の水準を下回っています(96)。
お金は、AIを「作る側」に集中し、「使う側」には集まっていませんでした。これは前版で見えていなかった構図です。
FIG.2 ─ もっとも大事な図
上がりすぎた分を、何%返したか
1年前を100として、そこから上に行った分のうち、いくら返したか。100%なら完全に元通り。ハイパースケーラーは1年前を割り込んでいるためこの図から外しています。
要は
「バブルが崩壊した」ことと「バブルの水位が元に戻った」ことは、別に起きています。いま起きているのは前者だけです。
前提
「1年前の水準=あるべき姿」という物差し自体は検証していません。「まだ戻っていない」は事実、「戻るべき」とまでは言えません。
FIG.3 ─ 折れた順番
どの会社が、いつ折れたか
高値の探索期間を2025年1月1日以降に統一しました。前版はテラウルフに2021年11月(暗号資産バブルの高値)を使っており、今回のAIサイクル内の比較になっていませんでした。
演算(設計・製造)
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| NVIDIA | 2026-05-14 | -5% | +24% |
| AMD | 2026-06-30 | -17% | +180% |
| ブロードコム | 2026-06-02 | -11% | +41% |
| TSMC | 2026-06-30 | -12% | +73% |
| アーム | 2026-06-18 | -36% | +108% |
メモリー(半導体)
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| キオクシア | 2026-06-22 | -56% | — |
| SKハイニックス | 2026-06-22 | -51% | +443% |
| サンディスク | 2026-06-25 | -48% | +2,879% |
| サムスン電子 | 2026-06-18 | -36% | +228% |
| マイクロン | 2026-06-25 | -28% | +684% |
ハードディスク(円盤)
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| ウエスタンデジタル | 2026-06-18 | -42% | +483% |
設備・電力
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| ヴァーティブ | 2026-05-14 | -28% | +95% |
借金組(借金でAI設備を建てた会社)
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| コアウィーブ | 2025-06-20 | -51% | -25% |
| テラウルフ | 2026-06-18 | -41% | +246% |
| アイレン | 2025-11-05 | -46% | +122% |
| アプライドD | 2026-05-28 | -41% | +105% |
| サイファー | 2026-06-18 | -41% | +253% |
| ネビウス | 2026-06-18 | -34% | +188% |
| オラクル | 2025-09-10 | -55% | -41% |
| ソフトバンクG | 2026-06-02 | -36% | — |
ハイパースケーラー(使う側)
| 会社 | 高値をつけた日 | 高値から | 1年前と比べて |
|---|
| マイクロソフト | 2025-10-28 | -8% | -4% |
| アルファベット | 2026-05-13 | -12% | +80% |
| メタ | 2025-08-12 | -25% | -22% |
修正後の
結論
「借金組が最初に折れた」は、一部だけ正しい表現でした。
先行したのはコアウィーブ(2025年6月)・オラクル(2025年9月)・アイレン(2025年11月)の3社で、
テラウルフ・サイファー・ネビウスは本体と同じ6月18日です。「借金組の一部が半年から1年先行した」が正確な書き方です。
除外
キオクシアとソフトバンクGは2026年1月以降のデータしかなく、1年前比と指数から除外しています。
FIG.4 ─ 中枢はどこからお金を得ているか
中枢4社は、倒産しません
よく聞かれる「NVIDIAは大丈夫か」に先に答えます。財務だけを見るかぎり、まず潰れません。ただし確認できたのは4社のうち2社だけです。
| 会社 | 確認できたこと | 確認度 | 残っている宿題 |
| NVIDIA | 営業CFが有利子負債の9.8倍。負債資本比率は5年で45.3%→7.1% | 報道ベース | 満期構成・顧客集中度・売掛金 |
| TSMC | 設備投資は自己資金。4〜6月期の売上は前年比+36% | 部分的 | 純有利子負債・利払いカバー率 |
| ブロードコム | 2023年11月のVMware買収690億ドル(VMware側債務80億ドル込み) | 未確認 | 現在の借入残高そのもの |
| AMD | — | 未検証 | 財務チェックを一切していない |
要は
中枢は「借りる側」ではなく「受け取る側」です。倒産はまず起きません。
問題は、その売上が「借金で建てている客」から来ていることです。そのお金の流れは、このあとの「お金は誰から誰へ動いているか」で見ます。
FRAMEWORK ─ この監視の考え方(毎週変わりません)
いちばん怖いのは、AIの需要が消えることではありません
なぜ株価ではなく「誰が損を持っているか」を追いかけるのか。この節はレポートの土台で、毎週同じことが書いてあります。
ひとことで
AIの利用が増えても、AIへの投資は失敗しうる。この2つは同時に成り立ちます。
使う量が増える → 技術が良くなって1回あたりの計算が安くなる → 同じ仕事を少ない機械でこなせる → 機械も計算も値下がりする。
それでも、過去に組んだ借金と、減価償却と、リース料は、そのまま残ります。
もう少し正確に
AI利用量の増加・AI売上の増加・AI設備投資のROI低下は同時に成立しうる。したがって「AIが成長しているから設備投資は正当化される」は論理として誤り。
評価すべきはEPSではなく、設備投資後に現金がいくら残るか(営業CF−設備投資)と、売上成長率に対する設備投資成長率である。
| 混同されやすい2つ | なぜ別物か |
「AIが成功する」と 「AIに投資した人が儲かる」 |
鉄道・通信網・光ファイバー・インターネット。技術はすべて成功し、需要も爆発した。それでも造りすぎた側は大損した |
「Googleが生き残る」と 「Google向けの設備を造った会社が儲かる」 |
Google・Microsoft・Amazonには広告や既存クラウドという巨大な現金源がある。数年ROIが低くても耐えられる。データセンター専業・借金組・メモリー・設備業者にその余裕はない |
「需要が本物である」と 「その需要が持続する資金で支えられている」 |
クラウドの売上には、社債で建てた会社からの支払いが含まれうる。払う側の資金が止まれば、受け取る側の売上も止まる |
いちばん
危ない形
設備は3年で古くなるのに、借金は10年契約。
AIチップとデータセンターは技術の進歩で想定より早く陳腐化しえます。一方で社債・プロジェクト融資・リースは長期契約です。
設備の稼ぐ力が先に落ち、債務だけが残る。担保の価値が下がり、借り換えの条件が悪くなる。
これがAIの問題を金融の問題へ変える、いちばん自然な経路です。
だから
何を見るか
GoogleやNVIDIAの株価ではありません。
見るべきは「造りすぎた設備の損を、最終的に誰が持っているのか」です。
候補は銀行、プライベートクレジット、CLO、ABS・CMBS、保険、年金、投資ファンド、データセンターREIT、プロジェクト融資の貸し手。
その損が誰かの帳簿に移った瞬間が、AIの問題が金融システムへ渡る瞬間です。このレポートで「橋」と呼んでいるのがそこです。
同じ見方を
中央銀行もしている
イングランド銀行は2026年7月の金融安定報告で、「AI企業は2025年に必要な投資が内部資金の能力を超え、外部資金に頼るようになった。この傾向は2026年上期に大幅に加速した」と述べ、
データセンター設備とAIチップの資金調達における「満期のミスマッチ」、およびそのリスクが貸し手・借り手・テナントのあいだでどう配分されているかを監視対象に挙げています。
また「投資のペースは歴史的に前例がない」とも記しています。次回の報告は2026年11月。当方の定点に組み込みます。
FIG.5 ─ 本業は細っているか
細っていません。伸びています
「AIに移って、Googleやフェイスブックが使われなくなっているのではないか」を、売上の中身で確かめます。
| グーグル(2026年4〜6月期) | 売上 | 前年同期比 |
| 検索ほか | 633億ドル | +17% |
| YouTube広告 | 111億ドル | +13% |
| サブスク・端末・Play | 129億ドル | +15% |
| 外部サイト向け広告 | 73億ドル | −1% |
| メタ(全社ほぼ広告) | 608億ドル | +28% |
地域を分けると、稼ぎ方がまったく違う(メタ・2026年4〜6月期)
| 地域 | 件数(広告の表示回数) | 単価(1広告あたり) | 読み方 |
| アジア太平洋 | +17% | +1% | 人は増えるが値段は上がらない |
| その他(南米・アフリカ等) | +12% | +15% | 両方伸びている |
| ヨーロッパ | +13% | +19% | 伸び率が前期のほぼ半分に |
| 米国・カナダ | 4地域で最低 | +20% | 人はもう増えない。値段で稼ぐ |
| 世界全体 | +14% | +12% | 合計すると差が消える |
要は
新興国は「人数」で伸び、先進国は「値段」で伸びています。
売上+27%のうち、人数の増加はわずか3%分。残りは使う時間が伸びたことと、広告を出す回数を増やしたことです。
メタは今期、Threadsへの広告を全世界に広げ、WhatsAppでも広告を拡大したと明言しています。
ヨーロッパの
異変
ヨーロッパの単価の伸びが、前期のほぼ半分に落ちました。原因は規制です。
2025年12月にEUと個人向け広告の同意方式の変更で合意しており、財務責任者は前四半期に予告していました。
全世界の平均(+12%)だけを見ていたら、これは見えません。地域を分けて初めて出ます。
この節の
結論
切羽詰まっているわけではありません。本業はいまも好調です。
ただし既存のやり方で伸ばし続けるには、新興国で人数を増やすか、先進国で単価を上げるかの2つしかありません。
そしてヨーロッパでは規制が単価を抑え始め、アジア太平洋では人は増えても単価が上がりません。
つまり「いまは好調だが、次の手を打たざるを得ない」。この3社がAIへ巨額を投じているのは、その時代の変わり目を先に読んだ行動と見るのが自然です。
留保
今期は4年に一度のワールドカップがありました。W杯関連の動画は17億人が視聴し、検索の利用も過去最高を記録しています。
財務責任者は「次の四半期は比較対象が厳しくなる」と明言しました。今期の強さの一部は一時的です。
またグーグルは地域別のクリック数・単価を公表していません(地域別は売上額のみ)。この分解ができるのはメタだけです。
SCALE ─ 規模感
設備投資は、この2年で3倍を超えました
金額だけでは大きいかどうか分かりません。時系列と、売上に対する比率で見ます。
4社(アマゾン・マイクロソフト・アルファベット・メタ)の設備投資合計(億ドル)
売上に対する
比率
一次確認ができたのはメタだけです。2025年の設備投資690億ドルに対し、通期売上は2,000億ドル超 ── 売上の約34%。
2026年の見通しは1,300〜1,450億ドルで、2025年から67〜97%の増加。4社のなかで最も急な増やし方です。
他の3社は2025年通期の売上を一次資料で確認できていないため、比率を出しません。
四半期を4倍した概算は成長中の会社では分母が小さく出て、比率が過大になります。前版まで載せていた「売上の42〜56%」はその方法によるもので、取り下げます。
借金の
増え方
アマゾンの長期負債は3か月で81%増えて1,190億ドル。アルファベットは2026年上半期で111%増えて980億ドル。
アルファベットは6月に株式発行で496億ドル、社債で203億ドルを調達しています。
設備投資の伸びより、借金の伸びのほうが速い。
FIG.6 ─ 投資と回収(定量)
4社とも、設備投資後に残る現金が消えかけています
前節の考え方を数字で確かめます。すべて2026年4〜6月期の決算発表値(報道経由)。EPSではなく設備投資を引いたあとに現金がいくら残ったかで見ます。
設備投資後に残った現金(フリーキャッシュフロー・億ドル)
| 会社 | 売上 | クラウド/AI | 設備投資後の現金 | 受注残 |
| アルファベット | 1,198億ドル +24% |
Cloud 248億ドル +82% | −59億ドル 赤字転落 |
5,140億ドル +375% |
| マイクロソフト | 900億ドル +18% |
Azure +43% 年商1,000億ドル突破 | +196億ドル −23% |
6,780億ドル +84% |
| アマゾン | 2,006億ドル +20% |
AWS +37% 18四半期ぶりの最高 | マイナス 創業以来はじめて |
— |
| メタ | 608億ドル +28% |
切り出し開示なし 費用は+55% | +7.8億ドル −91% |
— |
指標①
投資は売上より
速く伸びたか
アルファベットで逆転しています。クラウド売上は+82%。同じ四半期の設備投資は224億→442億ドルで+97%。
設備投資はクラウド売上の1.79倍(前年は1.65倍)で、比率が悪化しました。
通期の見通し1,950〜2,050億ドルは、クラウド売上を年換算した990億ドルの約2倍にあたります。
指標②
投資後に
現金は残るか
メタは営業活動で319億ドル稼ぎ、設備投資に311億ドル使いました。稼いだ現金の97.5%です。
残ったのは7.8億ドル。約4年ぶりの低水準です。
売上は+28%で伸びています。それでも投資後の現金はほぼゼロになりました。前節で書いた「売上が伸びても投資は失敗しうる」の、いちばん分かりやすい形です。
注意が
必要な点
マイクロソフトの8%減額は「会計上の前提の変更による」と報じられています。
設備の中身が減ったのか、それとも分類の付け替えなのかで、意味がまったく違います。この切り分けは未確認です。
またメタ自身が「当社のフリーキャッシュフローは自由に使える残余資金を示すものではない」と注記しています。営業キャッシュフローには株式報酬77億ドルと減価償却64億ドルの足し戻しが入っているためです。
1つの数字だけで判断しないでください。
つづき ── では、そのお金はどこから来ているか
1点の数字では意味が分かりません。伸び方と、お金の出どころを見ます。
本業で稼ぐ現金(営業キャッシュフロー)の伸び
年 +23%2023年4〜6月期以降の四半期データから推計
—
設備投資の伸び
年 +70%同期間。稼ぎの3倍の速さで増えている
乖離
2つの線が交差する時期(5社合計)
2026年7〜9月合計フリーキャッシュフローがゼロになる = 今まさに
直近
設備投資が営業キャッシュフローを追い越す時期(会社別)
追い越した後も投資を増やすなら、手元現金を取り崩すか、借りるか、株を発行するしかありません。
要は
今期にフリーキャッシュフローが消えたのは、偶然でも一時的でもありません。3年続いた「稼ぎ+23%・投資+70%」という差が、いま交差点に達しただけです。
この差が続くかぎり、外部からお金を借りる必要は増え続けます。
過去の前例
アマゾンは2022年に同じことが起き、年間の設備投資を636億ドルから527億ドルへ削りました。
「計算が合わなくなれば削る」という実例が公開されているという意味で、これは重要な材料です。ただし当時と違い、いまは長期契約で固定された分が大きい点に注意が要ります。
お金は誰から誰へ動いているか
中核のAI企業は、自分にチップやクラウドを売る相手から出資を受けています。
| 出す側 | 出資 | 見返りの購入約束 | 倍率 |
| マイクロソフト | OpenAIの27%を保有 Anthropicへ最大50億ドル |
OpenAI → Azureへ 2,500億ドル Anthropic → 300億ドル | — 6倍 |
| アマゾン | Anthropic・OpenAIへ 累計 830億ドル超 | 両社 → AWSへ 2,380億ドル超 (OpenAI 1,380億/Anthropic 1,000億超) | 約2.9倍 |
| アルファベット | Anthropicへ 400億ドル超 | Anthropic → GoogleのTPUを100万個配備 | — |
| NVIDIA | OpenAIへ最大 1,000億ドル Anthropicへ最大100億ドル CoreWeaveの7%を保有 |
各社がNVIDIAのチップを購入 OpenAI → CoreWeaveへ224億ドル | — |
| AMD | Anthropicへ最大50億ドル | 2GW分のチップ発注 | — |
これは
何と呼ばれるか
ベンダーファイナンスといいます。自社製品の買い手に、自分がお金を出す形です。
身近な例は自動車ローンで、メーカー系列から借りた金でその会社の車を買う ── 「メーカーが出した金が、売上としてメーカーに戻る」構図です。
2026年7月、NVIDIAは1週間で7,500億ドル超の案件に署名または交渉を開始しました。そのなかには、OpenAIのデータセンター賃料を最大2,500億ドル、チップ購入を3,500億ドル分、NVIDIAが保証するという提案が含まれます。
重要な留保
ここに並べた金額の多くは、意向表明書の段階です。契約として確定し、実際に現金が動いたものではありません。
また出資額と購入約束は期間が違います(出資は一括、購入は10年契約のことがある)。単純に倍率だけを比べるのは危険です。
すべて報道ベースであり、当方の一次系列ではありません。
MACRO ─ 共通市場データ(今週から一本化)
前週比の取り方を、他のレポートと統一しました
前版は誤りでした。「5営業日前の行」を前週としたため基準日が7月30日になり、正しい7月31日基準と符号まで逆になっていました。今版から全レポート共通で「その日以前の最終値」で取り、基準日を併記します。
2.43%10年 実質金利7/31 2.47% → 8/6 -4bp
4.69%米10年債7/31 4.75% → 8/6 -6bp
5.22%米30年債7/31 5.27% → 8/6 -5bp
2.71%ハイイールド上乗せ幅7/31 2.85% → 8/6 -14bp
| 項目 | 前版(誤) | 今版(正) | 原因 |
| 10年 実質金利 | 2.41→2.43 +2bp | 2.47→2.43 −4bp | 前週アンカーを7/30に取っていた。正しくは7/31 |
| 米10年債 | 4.68→4.69 +1bp | 4.75→4.69 −6bp |
| 米30年債 | 5.21→5.22 +1bp | 5.27→5.22 −5bp |
| ハイイールド上乗せ幅 | 2.84→2.71 −13bp | 2.85→2.71 −14bp |
意味が
変わった点
前版は「米国の金利はほぼ横ばい」と書きましたが、正しくは「金利は明確に低下した週」でした。
7月31日から8月6日にかけて、実質金利−4bp・10年−6bp・30年−5bp・ハイイールド−14bp。
金の上昇と株の最高値更新は、この金利低下と整合します。前版の説明は成り立ちません。
日本
2年 1.565%(+6.8bp)/30年 3.919%(−5.2bp)。短期上昇・超長期低下。日本国債は7月31日が欠落しており、7月30日を前週基準としています。
PART 3
危機に変わるか
AIの損が金融へ渡ったか。渡らなければAIの中で終わります。
BRIDGE ─ AIから金融へ渡る橋
損失が、誰の帳簿に移ったか
AI企業がお金を借りにくくなるだけなら、まだAIの中の問題です。金融危機になるには、AI関連の貸し倒れや評価損が、貸し手の帳簿に現れる必要があります。今週、5系統のうち1系統が動き出しました。
未点灯
1/5系統を計測開始。プライベートクレジット(BDC3社)を10年分さかのぼって系列化しました。残る4系統は未取得です。
| 見るもの | いま | 内容 |
| プライベートクレジット | 計測開始 |
BDC3社(ARCC・MAIN・OBDC)の株価÷純資産、および1株あたり実現・未実現損益。10-Kの一次値で2015〜2025年をさかのぼった |
| 銀行 | 次週から | 企業向け貸出の延滞率・貸倒償却率・貸出態度(FREDの4系列を手順書に追加済。四半期・約2か月遅れ) |
| CLO・ABS・CMBS | 未取得 | 延滞率・格下げ・トランシェ毀損。日次の代理としてJAAA・BKLNを追加済 |
| 保険・年金・ファンド | 未取得 | 仕組み信用の保有額・評価損 |
| 担保 | 未取得 | LTV・担保掛け目・DSCR |
橋a と 橋b
橋a=「貸した側の会社が、市場からどう見られているか」。お金を貸す会社(BDC)の株価が、その会社の持っている資産の値打ちに比べて安いか高いかを見ます。安く売られているほど、市場が「貸し倒れが増える」と疑っているという意味です。
橋b=「実際に損が出たか」。株価ではなく、決算書に載った損の額を見ます。橋aは早いが当てにならないことがあり、橋bは確実だが3か月遅れます。だから両方見ます。
もう少し正確に
橋a=BDC3社の株価÷1株あたり純資産(NAV)を各社の履歴分位に変換し等加重平均。橋b=10-KのFINANCIAL HIGHLIGHTSにおける1株あたり実現・未実現損益。
橋a ─ 貸し手はいくらで評価されているか(3社合成・0〜100)
BDC3社それぞれの「株価÷純資産」を、各社の過去の分布の中で何%点にあるかに直し、3社で平均したもの。低いほど市場が貸し手を厳しく見ている。
| 会社 | 株価÷純資産 | 自社の過去10年での位置 | 平時のレンジ |
| ARCC(エイリス・キャピタル) | 1.034倍 | 下から 45%点 | 0.91〜1.12倍 |
| MAIN(メインストリート) | 1.768倍 | 下から 70%点 | 1.37〜1.85倍 |
| OBDC(ブルーオウル) | 0.786倍 | 下から 12%点 | 0.77〜1.17倍 |
なぜ
分位で見るか
3社のレンジがまったく違うためです。MAINは常に純資産の1.4〜1.9倍、OBDCは常に0.8〜1.2倍で取引されます。
「0.9倍を割ったら警戒」という共通の物差しは作れません。各社の過去の中での位置に直してから合成します。
橋b の入口 ─ 1株あたり実現・未実現損益(10-Kの一次値)
株価ではなく、実際に帳簿に立った損益。プラスなら評価益、マイナスなら評価損。
まだ
言えないこと
OBDCの損失がどの投資先で起きているかを確認していません。AI・データセンター関連なのか、まったく別の業種なのかは未確認です。
これが分からないかぎり、橋bは「点いた」と言えません。次版で投資明細を確認します。
また前版で「OBDCはAI向け融資の比率が高いとみられる」と書いたのは根拠のない推測でした。撤回します。
FIG.7 ─ 金融側 / 正式トリガー
お金の配管は詰まっているか
判定はここで行います。歴史比較のスコアは次の節に分けました(暫定指標を判定に使わないため)。
| トリガー | いま | 警戒/発火 | 判定と留保 |
| F1 無担保ドル調達(CP3M−FF) | 20bp | 50/100bp | 未発火。7/30〜8/4はデータ欠測のため2点比較 |
| F2 レポ配管(SOFR−FF) | +2bp | 25/50bp | 未発火。前版のFIG.5に入れ忘れていた項目 |
| F3 海外ドル不足(クロスカレンシーベーシス) | 取得不能 | — | 死角。無料の代替系列なし |
| L2 緊急貸出(ディスカウントウィンドウ) | 5,257 | 未設定 | 未発火。前週比−19.2%。制度変更との切り分け未実施 |
| L3 商業銀行の預金 | 19,363 | 未設定 | 未発火。約2週遅れで7/29が最新 |
| L4 中央銀行スワップ | 145 | 未設定 | 未発火。これは「中央銀行レベルの緊急ドル供給が起きていない」ことの確認であって、「海外にドル不足がない」ことの証明ではありません |
前版の
論理矛盾
前版は「世界のどこかでドルが足りていない兆候は一切ない」と書きながら、死角欄で「海外ドル不足は取得不能」と書いていました。両立しません。
中央銀行スワップが低いことは、ドル不足が無いことの証明にはなりません。F3は死角として維持します。
補助図 ─ 歴史比較(判定には使いません)
同じ物差しで、過去の危機と並べると
100点=各指標の2007年8月〜2009年6月における「それぞれのピーク」です。2008年10月15日が87.5点にとどまるのは、その日に5指標が同時に各自のピークを取っていないためです(緊急貸出のピークは10月29日、スワップは12月17日)。「2008年のある1日=100点」ではありません。
FIG.8 ─ 信用の最下層
最下層だけで、信用リスクの上乗せ幅が急拡大している
前版は「借入金利の差」「締め出されている」と書きましたが、これはOAS(同年限国債に対する上乗せ幅)であり、スプレッド拡大だけでは「資金調達ができない」ところまでは証明できません。表現を改めます。
CCC以下 と BB の信用スプレッド差(OAS、過去2年)
「締め出し」を
判定するには
新規発行額・発行件数・新発利回り・新発プレミアム・ディストレスト交換・借換え失敗・満期の壁・デフォルト率が要ります。いずれも未取得です。
現時点で言えるのは「上乗せ幅が広がった」までで、「借りられなくなった」ではありません。
FIG.9 ─ 守りの資産
守り4本の同時安 ── 名称を改めます
前版までこれを「現金が要るからなんでも売る」状態の合図としていましたが、バックテストの結果、そうは言えないことが分かりました。
−6%0%+7%
→ 20営業日でマイナスは4本中2本(先週は3本)
金が+5.69%と大きく上昇したためです。
今週の金上昇は、危機回避よりも「米国の利上げ観測後退と実質金利の低下」の寄与が大きかった可能性が高いと見ています(雇用統計・中央銀行の購入・ショートカバー・地政学も同時に効いており、単一要因には帰せません)。
| 「守り4本すべて20営業日マイナス」の発生日数 | 日数 | その年に金融危機はあったか |
| 2018年 | 27日 | なし(第4四半期の株安) |
| 2019年 | 4日 | なし |
| 2020年 | 11日 | あり |
| 2021年 | 34日 | なし |
| 2022年 | 61日 | なし(インフレと金利急騰) |
| 2023年 | 65日 | SVBのみ |
| 2024年 | 18日 | なし |
| 2025年 | 15日 | なし |
| 2026年(8/7まで) | 19日 | なし |
結果
2018年以降2,161営業日のうち254日(11.8%)で成立。2022年に61日、2023年に65日出ています。
これは「金融崩壊の信号」ではなく「株・債券・ディフェンシブの同時安の信号」です。名称をそう改めます。
インフレショックや実質金利の急上昇でも同じ形になるためです。
残す理由
同時安にSPYが20営業日で−10%以下を重ねると、2018年以降でわずか10日(2020年3月18日と2022年5・9・10月)に絞られます。
この組み合わせは有効なので、即時警告としては維持します。2008・2011・2015は当方のETFデータが2018年開始のため検証できていません。
VERDICT ─ 三層の判定
AI側 → 橋 → 金融側
| 段 | 判定 | 根拠と留保 |
A-L1 株価・評価の崩れ ※前版「外側から崩れる」から改称 | 進行 |
高値からの中央値 −35.7%。200日線割れは1→0社だが、これを「改善」と単純に読まない(短期反発で線を回復しても高値からは深い)。下落率・移動平均・勢い・広がりを別々に見る |
| A-L2 業績・受注の悪化 | 未点灯 |
TSMC 4〜6月期は前年比+36%で過去最高。ただし株価の崩れと業績はこのサイクルで切れている(ウエスタンデジタルは過去最高益の翌日に−12%)。売上・受注残・粗利率・在庫・ガイダンスを次版から取得 |
A-L3 資金調達の悪化 a 親会社信用/b プロジェクト信用 | 初期兆候 |
a=ハイパースケーラーの社債スプレッド拡大(報道)。b=データセンター債がA格でジャンク並み利回り。初期信号は親会社よりプロジェクト金融に先に出るため、bを主、aを従とする |
| A-L4 実投資の停止 | 判定保留 |
米国140件のうち半数近くが遅延・中止。ただし理由の内訳が不明。電力・送電網・許認可・工期が理由なら需要崩壊ではない。需要/採算/資金調達を理由とするものだけを発火に使う |
| BRIDGE 損失が貸し手へ移る | 未点灯 1/5系統を計測開始 |
プライベートクレジット(BDC3社)を10年分さかのぼって系列化。合成指標は42.2で平時圏(警戒12.2・発火7.8)。
ただしOBDCは2024・2025の2年連続で系列最悪の評価損。損失先がAI関連かは未確認のため点灯とはしない |
| B-L1 信用市場の周辺へ波及 | 未点灯 | 悪化はCCC−BBのみ。周辺株4本ともプラス、金融12社も改善 |
| B-L2 強制デレバレッジ | 未点灯 | 守り4本のマイナスは2本。この条件単独は同時安信号であって強制換金信号ではない(2018年以降11.8%の日で成立) |
| B-L3 資金市場・ドル配管 | 未発火 | F1 20bp/F2 +2bp/緊急貸出 −19.2%。F3は死角 |
| B-L4 システミック危機 | 未達 | 同時発火なし |
NEXT ─ 次に見るもの
来週、この4つを見ます
- ①OBDCの損失が、どの投資先で起きているか 10-Kの投資明細で確認します。AI・データセンター関連なら橋bが点きます。まったく別の業種なら、AIとは無関係の話になります。今週いちばん大事な宿題
- ②データセンター債のスプレッド A格でジャンク並みの利回りという状態が続くか。プロジェクト金融は親会社より先に動きます
- ③CCC−BBが8.61ptを超えるか いま8.56pt。今週唯一悪化した項目
- ④8月12日の米CPI 市場予想は総合+3.4%・コア+2.5%。上振れれば金利低下が巻き戻り、今週の株高・金高の前提が崩れます
PART 4
付録
データの仕様・指摘への回答・見えていないもの。
DATA SPEC ─ 新規指標のデータ仕様
毎週更新できる形にするために決めたこと
「見つけた」だけでは定点観測になりません。次版までにこの仕様で正本化します。
| 指標 | 出所・頻度 | 公表遅れ | 警戒/発火 | 死角 |
| A-L3a 親会社信用 | ICE BofA テック社債OAS/日次。新発スプレッドは起債時 | 1営業日 | 1年分位の80%/95% | 高格付けのため最後まで動かない可能性 |
| A-L3b プロジェクト信用 | データセンター債・ABS・CMBSのスプレッド/週次。多くは有料 | 1週間 | 同年限社債との差が200/400bp | 無料での包括取得は困難。当面は報道の定点記録 |
| A-L4 実投資停止 | 各社決算のCAPEX(四半期)+計画の遅延・中止(報道・週次) | 四半期は45日 | 需要/採算/資金調達を理由とする中止が四半期で◯GW超 | 理由の分類が公表されないことが多い |
BRIDGE a 貸し手の評価 | BDC3社の株価÷純資産(株価は日次・NAVは四半期)。10-KのFINANCIAL HIGHLIGHTSから取得 | NAVは45日 | 警戒12.2/発火7.8 (各社の分位の平均) | NAVが四半期に1点。その間は株価だけで動く |
BRIDGE b 損失の中身 | BDCの実現・未実現損益(10-K)+投資明細/銀行の四半期決算(引当金・要注意先) | 四半期〜45日 | 2四半期連続の悪化+AI関連の特定 | AI向けだけを切り出した開示がない |
正直に
書いておく
閾値の数値は、まだ根拠のある水準ではありません。過去データがないため分位で決めることもできていません。
「◯」と伏せた箇所は、履歴が貯まってから決めます。いま埋めれば、それは当てずっぽうです。
REVIEW RESPONSE ─ 指摘への回答
21件すべてに、修正・維持・保留で答えます
| 項 | 指摘 | 対応 | 内容・理由 |
| 1 | 冒頭結論が二値的すぎる | 修正 | 表紙を「AIの外側では株価・信用の崩れが進んだ。金融システム全体への伝播はまだ確認されていない」に差し替え |
| 2 | 金融1.7点をトップ結論に使わない | 修正 | 冒頭から削除。歴史比較は補助図へ格下げし「判定に使わない」と明記。100点の定義(各指標の2008-09ピーク)と、2008年10月15日が87.5点になる理由も本文に記載 |
| 3 | 共通市場データをMASTER化 | 修正 | 前週アンカーを7/31に統一。実質金利・10年・30年・HY OASの4項目で符号が逆だった誤りを訂正表として掲載 |
| 4 | 金融側を正式トリガーと歴史比較に二層化 | 修正 | FIG.5を正式トリガー表に変更しF2(SOFR−FF)を追加。中央銀行スワップの結論を「緊急ドル供給は起きていない」に限定し、F3は死角として維持 |
| 5 | A-L1を「株価・評価の崩れ」に改称 | 修正 | 改称。業績は別段(A-L2)で測る構成に変更 |
| 6 | AI企業の分類を再設計 | 修正 | WDCをハードディスク(円盤)へ分離。演算/メモリー/ハードディスク/設備・電力/借金組/ハイパースケーラーの6分類に固定 |
| 7 | ピーク探索期間を統一 | 修正 | 2025年1月1日以降に統一。テラウルフの高値が2021年11月→2026年6月18日に変わり、「借金組が最初に折れた」を「借金組の一部が先行した」に訂正 |
| 8 | 中枢4社の断定を弱める | 修正 | 「現時点で確認できる範囲では短期的な財務破綻リスクは低い」に変更。4社の確認度を個別に表示(AMDは未検証と明記) |
| 9 | A-L3を親会社信用/プロジェクト信用に二層化 | 修正 | A-L3a/A-L3bに分割。プロジェクト金融を主、親会社信用を従とした |
| 10 | A-L4の延期理由を分類 | 修正 | 判定を「初の兆候」から「判定保留」へ格下げ。需要/採算/資金調達を理由とするものだけを発火に使うと明記 |
| 11 | BRIDGEを新設 | 修正 | 5系統(銀行・プライベートクレジット・CLO/ABS/CMBS・保険ファンド・担保)の枠とデータ仕様を新設。v7.2でプライベートクレジット1系統を10年分さかのぼって計測開始。判定は未点灯 |
| 12 | CCC−BBの名称と判定文を修正 | 修正 | 「借入金利の差」→「信用スプレッド差(OAS)」。「締め出されている」→「上乗せ幅が急拡大している」。締め出しの判定に必要な8項目を未取得として明記 |
| 13 | B-L2をバックテスト | 修正 | 2018年以降で実施。2,161営業日中254日(11.8%)、2022年61日・2023年65日。「株・債券・ディフェンシブ同時安の信号」に改称。SPY−10%との組み合わせ(10日のみ)は即時警告として維持 |
| 14 | 金上昇の断定を弱める | 修正 | 「利上げ観測後退と実質金利低下の寄与が大きかった可能性が高い」に変更。他要因も併記 |
| 15 | 証拠を価格/業績/信用の三段階に | 修正 | A-L1=価格、A-L2=業績、A-L3=信用として段の定義を組み替え |
| 16 | 200日線の解釈 | 修正 | 「200日線回復=改善」と読まないと本文に明記。下落率・移動平均・勢い・広がりを分けて表示 |
| 17 | 新規指標のデータ仕様を固定 | 一部修正 | 出所・頻度・公表遅れ・死角は定義。閾値は履歴が無いため未確定のまま伏せた。埋めれば当てずっぽうになるため |
| 18 | 最上段に現在地を一文で置く | 修正 | 段階判定の一文を表紙直下に新設 |
| — | B-L2を2008・2011・2015でも検証 | 保留 | 当方のETFデータが2018年1月開始のため検証不能。データを遡って取得できるまで実施できない |
| — | 中枢4社の財務を一次資料で統一検証 | 保留 | 今版は全て報道ベース。SEC提出書類からの取得は次版の作業量として確保する |
| — | A-L3bの包括的な取得 | 保留 | データセンター債・ABSの包括履歴は有料。当面は報道の定点記録で代替する |
維持した
ものはゼロ
21件のうち18件を修正、1件を一部修正、3件を保留としました。反論して維持した項目はありません。
保留の3件は、いずれも「やらない」ではなく「いま手元のデータでは実行できない」ものです。
DATA ─ 死角と留保
今週のデータで、どこまで言えるか
今版で訂正した前版の誤り
- 米金利の前週比が符号ごと誤っていた(前週アンカーを7/30に取っていた)。実質金利・10年・30年・ハイイールドの4項目
- 未承認の暫定スコアを冒頭結論に使っていた
- 「世界のどこかでドルが足りていない兆候はない」と書きながら、死角欄で「海外ドル不足は取得不能」と書いていた(両立しない)
- テラウルフの高値に2021年11月(暗号資産バブル)を使い、「借金組が最初に折れた」と書いていた
- ウエスタンデジタルをメモリーに分類していた(2025年2月にNAND事業をサンディスクへ分離済み)
- 「中枢4社は倒産しない」と、1社の財務から4社を一般化していた
- NAVの減少を「損失」と書いていた NAV/株の減少には配当の払い出しが含まれます。損益そのものは「純資産ベースの総リターン」で見るべきで、その基準では3社とも過去10年に一度もマイナスになっていません。「ARCCは半年で2022年1年分を失った」という表現は取り下げます
- OBDCの割安を「下から2%点」と書いた 分母に2024年末の純資産を使っていたためです。正しい2025年末の値で計算すると下から11.7%点で、極端値ではありません
- 「OBDCはAI向け融資の比率が高いとみられる」と書いた 根拠のない推測でした。撤回します
基準日
株式8/7・金利と信用8/6・日本国債8/6・原油8/3・広義ドル7/31・銀行預金7/29。最大7営業日ずれています。
日本国債は7月31日が欠落(財務省の7月ファイルを7月30日時点で取得したため)。8月7日は財務省側が未公表であることを当日のCSVで確認済み。
米国の金利は8月7日の雇用統計による低下をまだ含んでいません。
まだ測れていないもの
- BRIDGE 5系統すべて=未取得。これが最大の穴
- DRAM/NANDの実物価格=取得不能
- 中枢4社の財務=報道ベース。AMDは未検証
- A-L4の延期・中止の理由内訳=未取得。件数だけでは需要崩壊と言えない
- 海外ドル不足(F3)=無料の代替なし。中央銀行スワップでは代替できない
- B-L2の2008・2011・2015検証=ETFデータが2018年開始のため不能